四国は愛媛県へと飛んだ。
今回は伊丹空港からのフライトであった。
フライトは朝一番だったので。
朝食は空港内のうどん屋さんで。
数ヶ月前から予定していたのだが。
行った先は両親の実家がある内子町。
特急列車に乗って30分。
実に十数年ぶりに足を運んだ。
ドア・ツー・ドアで3時間30程。
目的のない旅が好きな方もいらっしゃるだろうが。
私は不得手で必ず目的があって旅をするのだが。
今回のミッションは2つほど。
ひとつは報告で、もうひとつは秋の味覚三昧。
父親の形見として使っていた万年筆は二本あった。
一本は自分用にもう一本は従兄弟へのプレゼント。
数年前に父の従兄弟氏が筆を置くとして。
母親に万年筆を戻したのである。
そんなことは全く知らなかったのだが。
父上が亡くなる数ヶ月前に私に渡したのであった。
父上の見舞いついでに万年筆の使用許可を求めると。
快諾だったので専門店を探してペン先調整をして使い出した。
実質の万年筆スタートはその時からだった。
使うこと7年弱。
その間に甥っ子に万年筆に慣れさせて。
気に入って丁寧に使うのを確認してから。
その二本の万年筆を去年譲り渡した。
祖父の形見であり父上の従兄弟氏の大切な万年筆だと伝えて。
父上の従兄弟氏も御年90歳なので。
元気なら3代に渡って使ってますと報告する気でいた。
結果は残念ながら入院中で会えず。
しかし氏のお子さんに会うことができた。
以上のような話しを掻い摘んで申し上げて。
今は孫の代になる甥っ子が二本とも面倒を見てますと話した。
お子さんは必ず話しますからとおっしゃり。
これで報告の件は何とか果たすことができホッとした。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
お次は秋の味覚三昧である。
モズクガニ尽くし。
叔父は川漁師みたく日々楽しんでいるのだが。
今はモズクガニ漁で仕掛けを川底に沈めている。
漁は漁でも自分らで楽しむ程度の漁である。
だからシャカリキになっての漁ではない。
それでも獲ったモズクガニは100杯程度はいて。
獲った獲物を見せてくれた。
この後には塩茹でした出来立てを食べるのである。
もう嬉しくて仕方がない。
昼過ぎには冷たいビールで乾杯し。
早速、茹でたての蟹をいただく。
自宅ならそれこそ綺麗に食べるのだが。
ここでは贅沢食いが当たり前。
それに習って甲羅の味噌と卵と肉厚の実の部分だけ。
それだけをドンドン食べ続けた。
もう腹一杯で十二分に満足した頃には。
ビールも相当やっていたのでドカッと落ちてしまった。
また来年も計画して。
この贅沢を味わいに出向くとしようと思った。
現場でないと分からないことは多々あれど。
この味の魅力には打ち勝てない。
叔父には謝意を申し上げて。
来年も顔を出しますと申し上げて帰宅の途についた。