仕事の忘年会 その1。

場所は宝塚であった。

一次会は料亭風の料理屋。
お偉方の型通りの挨拶が次々に並ぶ。
続いて“乾杯!”
それからしばらくはご歓談。

コンパニオンちゃんが4名も付いてのご歓待。
お年は20~30歳未満がズラズラ。
こんなお年頃の方々との楽しいおしゃべりなんて。
そうそう、あるもんじゃ~ない。
もちろん、鼻の下をびろ~んと伸ばして。
しっかり、お酌をしてもらった。

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 ホントに歓談ばかりである。
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「宴たけなわですが・・・」
幹事さんの終了をしらせる合図の早いこと。
「エッ!もう、そんな時間なの?」
携帯の時刻を覗き込むと。
“一次会は終了でっせーー!”
と、冷ややかに数字を刻んでいた。

   一次会終了。

「なら仕方ない。二次会に行くべか!」
と、近所のスナックへ。
こちらにも女性陣が待ち構える。
しか~し。
お世辞にもピチピチ感は微塵も見えない。
落ち着きある方々ばかり。

・・・。

「おい若いの、歌え!歌え!!」
との仰せにお応えすべく。
デュエット曲をリクエスト。

ノア:「今を抱きしめて」
懐かしいでしょ?

女性が上手ければ、
男は音痴でも何でも問題なし。
非常に都合の好い曲なのである。

一曲だけ披露して、あとは聞き役。

そうこうしていると。
一人、二人と消えていく。
翌朝も早いので、帰宅する人。
これから行き付けの店に出向く人。

そのうちのお一人が近づいてきて。
「これから福原に行くか!」
「ごっつぁんです!」
「アホ、自費だわ!」
「行ってらっしゃいませ!、ご主人様」
「ほな、行って来るわ」

・・・また一人消えてしまった。

スナックもそろそろお開きの時間に。
「ほんじゃー、いつもの曲を!」
会長の発声と共に流れ出す音楽は。

六甲おろし」の替え歌。

周到に準備してきた歌詞用紙を見ながら。
声高らかに合唱する。

♪オォー、オッ、オッ、オォーーー!♪

   二次会終了。

=つづく=