会社員だった頃。
天下り社長が営業職を毛嫌いする風があった。
◇
その当時の上司は。
部下を信頼していたためか。
経営者会議の議事録を。
担当者レベルまで回覧していた。
◇
内容を読むと・・・。
“営業にだまされた!”
そんな社長の言葉が。
事あるごとに書き残されていた。
◇
「ふざけんなよ!」
営業の現場で働く当時の私は。
悔しい思いだった。
◇
技術屋出身の天下り社長は。
経営者なのに。
1+1=2
これしか頭に無く。
“それ以外はオレ様の範疇外だ!”
と、云わんばかりの。
“責任は一切取りたくない!”
の、アホ社長であった。
◇
1+1=2
それで世間がまかり通るなら。
「営業職なんていらんわい!」
◇
そのアホが一計を案じた。
営業に対して一石投じたのであった。
「営業コンサルタントを採用する!」
◇
アホでも社長。
誰も反対できる者はいない。
そのお代。
週一出社のアドバイス。
半年契約で。
¥15,000,000円也。
一回辺りの講師は2~3人。
◇
アメリカの経営・営業システムを売りにする。
経営コンサルタント会社の講師達が。
@そもそも営業職とは!
@GMの社長の名言は!
@アイアコッカはこう云った!
・
・
・
自慢タラタラで。
他人の受け売り名言を。
如何にも自分のお告げだとして語っていた。
◇
「提案営業以外に何かあるのか?」
最初からの疑問であったが。
それは的中であった。
◇
そやつらの経営・営業哲学は。
ひと言で言えば。
“アメリカ的、守銭奴(しゅせんど)”
@何でも出来ると大風呂敷を広げろ!
@お客様の満足度を適えますと云え!
@大々的に宣伝しろ!
“出来ます!やります!”
の、大安売りであった。
◇
専門的な事を何も知らない連中が。
如何にも知っていると信じさせるためには。
そこの部署の弱みをいち早く察知する能力であり。
それらを誘導させながら細かく聞き出すことである。
そこから。
一般的な対処療法を述べつつ。
知りもしないのに。
専門的にも分かったように話し。
そんな訓練を身に付けている連中なのである。
◇
頭脳労働者のふりをしつつ。
手も足も使わず、知ったような口をきく。
狡賢(ずるがしこ)い奴らである。
◇
だから。
結果も初めから予測がついていた。
半年間の徒労であった。
◇
最後の打ち上げの日。
コンサルの講師にビールを注ぎつつ。
@貴方達は最終的には責任を負わないから楽ですよね!
@今日が過ぎれば、きれいさっぱり他人だもの。
@ホンマ、アメリカの経営・営業哲学は大したもんだわ。
@私はそんな守銭奴はしませんよ!
顔は温和ながら。
決して眼は笑わずに申し上げた。
◇
アホは退社し。
それ以後、コンサルなど。
採用していないと聞いた。
賢明だと思う。
◇
それでも。
テレビ、ラジオ、新聞等々で。
相変わらずもてはやされ。
人の弱みで持って莫大な金で儲けようとする。
アメリカ経営哲学を学んだと自負する守銭奴は。
引きも切らない。
◆ ◆
今回の「旅行」欄で。
過去に御所の紅葉狩りを経験したと書きましたが。
手抜かりで更新してませんでした。
「'07 友人」欄。
クリックしてみて下さい。