その話しの付け加えを書いてみる。
鮎竿は約10m前後ある。
世界中で釣り竿を探しても。
そんな長い竿は見当たらない。
この技術は世界一である。
1gを軽くするために。
各メーカーは凌ぎを削っている。
軽くするための素材も。
研究に研究を重ねておられる。
想像してほしいのは。
約10m前後の竿を片手で操作出来るか?
お値段も跳ね上がるのだが。
結果は出来るのである。
それがとても誇らしく頼もしい。
日本の技術なのである。
そんな竿を握って川面に立ち。
鮎釣りを楽しむのであるが。
夏の天候は。
急変がおびただしい。
風向きが変わって。
急に涼しい風が吹いてくることがある。
遠くにあったはずの。
入道雲がモクモク盛り上がっている。
まだ稲光も見えず。
ゴロゴロ音も聞こえないのだが。
伝導率の高い鮎竿を握る手には。
遠くで光っている稲妻を肌で感じる。
竿からピリピリと電気を感じ。
近づくにつれてピリピリ感が強くなってくる。
避雷針を押っ立てている状態なのだから。
雷に当たる確立は格段に上がる。
さっさと避難するのが正解である。
・・・のだが。
ここに魅惑的な罠が仕掛けられている。
何故か鮎が釣れ出すのである。
この罠から抜け出せずに。
雷の餌食になった人は数知れず。
釣り人同士でも。
注意を喚起するのだが。
今のスマホ中毒者と一緒で。
やらかしてしまうのである。
危機管理能力が。
誘惑に負けてしまうのである。
痛い目に遭うなら経験になるが。
ピカッと落ちたらお陀仏である。
経験は死を持って完結。
あまり嬉しい話しではない。