ただ今、遠いアメリカの地で。
せっせと働いている従弟がいる。
業務命令が出たときは。
うわ～っと思ったらしいのだが。
宮仕えの悲しい性で。
帰国の確約は口頭のみ。
要するに。
白紙の委任状を渡した状態であった。
「４～５年後に帰国かなぁ～」
本人はそんなふうに話していた。
それでも氏は独身なので。
案外にお気楽なご様子で。
ちょいと小銭が貯まると。
ラスベガスに飛んで貯金ばかりしていた。
それが世界の景気動向に左右されたようで。
今年の春先に帰国の命令が出た。
彼の出身地は四国中央市。
讃岐うどんの地と県境である。
瀬戸内海気候の温暖な地で。
饂飩をズルズルすすったせいか。
身長は１９０ｃｍ近く。
生粋のアメリカンにも劣らない背丈である。
その彼の赴任先は。
山形県鶴岡市。
豚肉と味噌がメインの。
庄内平野のど真ん中。
鶴岡城は桜の名所で。
庄内米は屈指の美味しいお米である。
スキー場は数多（あまた）あり。
温泉の宝庫。
数年間はドンと。
腰を据えるようである。
それでも本人は。
帰国するのが悲喜半々のようで。
アメリカ赴任もしばらくは無いと知ると。
２０００ドルをポケットに突っ込み。
またもやラスベガスへ。
生涯給料を当てようと大勝負に出かけた。
大当たりすれば。
会社勤めに足を洗う算段だったが。
その夢は次回。
アメリカ赴任までのお預けとなった。
わたしは東北旅行の区切りを。
一応去年で付けてたんだけど。
今年も行く理由が出来てしまった。
しゃ～ないなぁ～～。
剛っさ～～ん！！
鶴岡市に遊びに行きますんで。
庄内空港に迎えに来てちょうだいね！！
