それだけの話し。

昨日のお話し。

近所のコンビニに行くと。
芦田愛菜ちゃんみたいな子が。
レジに並んでいた。

店員に何だかんだと。
話していたのだが。
その後買い物を選んでいた。

小さい手に牛乳パックを持って。
私の並んでいる前に来たのだが。
ふと気付いて。

「後ろに並ばなきゃ」

独り言のように話しながら。
私の後ろに行こうとした。

ルールを敢えて無視する。
オッサンやオバハンなら。
後ろに並べと云うのだが。

小一にもならない子が。
ルールを守るのを見たから。
ついこう話しかけた。

「前にどうぞ」

するとその子は。
頑なに何度も断るので。
こちらが折れた。

「ありがとう。
 先に並ばせてもらいます」

後ろに並んだその子は。
牛乳パックを重そうにしながらも。
こう話しかけてきた。

「この牛乳でホットケーキを作るんだ。
 とっても美味しいんだよ」

だから。
お答えした。

「そんなに美味しいなら。
 オッチャンにも食べさせてね」

その子は。
「うん、いいよ」

レジを済ませて。
店を出る間際。
その子が大声で話しかけてきた。

「おじさん、バイバイ」

  ◇ ◇ ◇

今夕のお話し。

店を閉めて帰る間際。
近所のコンビニに働く。
高校生バイト嬢が。

「こんばんは!」

そのバイト嬢は。
しばらく他店で働いていたので。
久しぶりであった。

声をかけられて。
ちょっと戸惑ったが。
すぐに思い出した。

「おぉ~。
 まいど!まいど!!」

その高校バイト嬢曰く。
それらしい姿だったので。
顔を見てから声をかけたとのこと。

「嬉しいこと云うやん」

あれこれ話しているうちに。
ついつい。
こう話してしまった。

「新聞読んでるか?」
「読んでません」

「今から活字を読みなさい
 読むのが苦しいなら指南します。
 分からなくても読みなさい」

バイト嬢は愛想笑いをして。
自転車にまたがって。
夕闇に消えて行ったが。

「分かりました」

  ◇ ◇ ◇

それだけの。
お話しです。