思えば2006年より。

冬の日本海と云えば。

私には【松葉蟹】しか。

頭に浮かばない。

あるご縁で良い宿に出会えて。

正真正銘の活きの良い蟹を。

堪能させてもらったのは。

今でも幸運であったと思っている。

その後も蟹を食べたいと。

日本海行きを計画するも。

うまく行かず仕舞いで。

本日に至る有様である。

もうかれこれ6年以上が経過した。

今だから思うのである。

ガタピシ鳴る窓の外は。

ピューピュー唸る風が吹き荒れている。

そんな宿の一室では。

面倒見の良い女将が横に付いて。

湯気まみれの熱っつ熱つの松葉蟹の。

食べ時をお教え下さる。

その時を逃さずに。

大口開けてハフハフしながら食すのである。

飲み物はもちろん。

地元の超辛口を冷やでコクリ。

そしてまた。

ただただ食べることに没頭する。

翌日のお勘定は目玉が飛び出そうだが。

堪能した幸せと喜びを考えたなら。

数年に一度なんだから。

身銭を切ってでも。

行く価値があると思うのである。

松葉蟹を食べたくなった。