長~いお付き合い。

先週の日曜日。
岡山へ向かった理由の一つは。
庖丁のメンテナンスであった。

何年か前の話しになるのだが。

刀工の製作する庖丁を。
オカンへのプレゼントとして。
ご友人の紹介で購入した。

始めはスパスパ切れても。
使い続けると切れ味は劣り。
だんだん切れなくなってしまう。

研ぎが出来れば良いのだが。
あいにく近所の業者にお任せしたのを。
オカンは我慢出来なかった。

オカン曰く。

「どうも調子が悪いから
 岡山に行くなら研いでもらって!」

ついでとばかりに。

「私は左利きやから
 それも伝えておいて!」

ご友人への。
話すタイミングを見計らいつつ。

恐る恐る申し上げると。
ご友人は即答であった。

「刀工に連絡してみる」

刀工の工房へ出向き。
扱いの悪い庖丁を二本差し出し。

これまた恐る恐る。
同じ事を申し上げた。

「何とかなるでしょうか?」

刀工は庖丁の刃を親指の爪に滑らせ。
その感触を確かめつつ。

「数日後にお送りします」

しかも。
ありがたいご提案もいただいた。

「私の製作した庖丁ですから
 キチンと面倒を見ますから」

刀工の庖丁作りには。
その後もお勉強を重ねられて。

庖丁の形が変わっているのだが。
それもまた興味が湧いている。

昨日届いた。
メンテナンス済み庖丁は。

サビが奇麗に落とされ。
左利き仕様になっていた。

刃を親指の爪を滑らしたら。
何の抵抗もなく切れていた。

オカンは何か切りたくて。
仕方無い様子だったが。

「ムカついても
 私は切らないでね

そう申し上げてから。

「面倒を見てもらうのは
 とてもありがたいことですな」

こうも申し上げた。

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