通学沿線、気になるあの子。その3。

夏休みの間は出会うことがなくなった。
こちらも勉強に本腰を入れないとヤバイ状態。
真面目に勉強に勤しんだ。

   ◇

アッと云う間に夏休みが終了。

   ◇

また新学期が始まり。
いつもの電車で出会うことになった。

「おはよう」

と、声をかけてから数ヶ月。
ドキドキ感は相変わらずで。

進展もしないで挨拶ばかりなのも。
相変わらずだった。

   ◇

だいたいこの時点で。
相手の名前を知らなかったし。
訊くことも出来なかった。
もちろん。
居酒屋で会った事も話題にはしなかった。

   ◇

瞬く間に秋が来て。
クリスマスやらも素通りして。
新年を迎え。
マフラーを巻き、手袋をする季節になった。

   ◇

受験本番の季節である。

   ◇

この頃には受験校も絞り。
本番の2月に向かって猛チャージしていた。

そして受験。
何校かを受けた。

   ◇

“合格すれば告白する!”

   ◇

これだけの衝動に突き動かされてきた。
一瞬の迷いも躊躇もなかった。

   ◇

そして発表の日。

   ・
   ・
   ・
   ・
   ・
   ・
   ・
   ・
   ・

すべて不合格。

   ◇

告白もなかった。

   ◇

ほろ苦い青春の一ページ。

(今は見る影もない)

   ◇

さて。
明日の晩は十五夜お月さん。
来月は寒いので。
今年の名月を楽しんで下さいませ。

そのためにも。
曇らぬように祈りましょ。