炊き込みご飯、礼賛。

炊き込みご飯には。
一方ならぬこだわりがある私は。
きっとリクエストすることがある。

・・・それは。

出来立てホカホカを口にせず。
翌日まで寝かせたものを。
手をさすりつつ待つのである。

どこで学習したのか忘れたが。
炊き込みの味がよく馴染むので。
とても好物なのである。

  ◇ ◇ ◇

先日、山形でお世話になったお宿で。
キノコの炊き込みご飯が饗された。
女将曰く。

「滅多に採れないんですよ」

それまでに食べ過ぎで。
お腹パンパン。
もう入らない状態だった。

・・・が。

それでも食べたかったので。
失礼を顧みずお頼み申した。

「明日の朝ご飯で食べますので、
 必ず出して下さい!」

  ◇ ◇ ◇

翌日の朝ご飯。
最初は炊きたての白ご飯を出されたが。

「昨日のキノコご飯を食べます!」

すると。
もう一つのお櫃が出てきた。
キノコご飯が湯気を立てている。

茶碗に目一杯よそって。
アアァ~ンと大口を開けて頬張る。

ニッタ~~~~。

馴染んだ炊き込みの美味しさは。
もう不動の地位になってしまった。

  ◇ ◇ ◇

栗ご飯。
キノコご飯。
松茸ご飯。
○○ご飯。
△△ご飯。
◇◇ご飯。

総じて。
炊き込みご飯の出来立てを。
ニンマリ顔で頬張りつつも。

ちょびっとは残しておいて。
味の馴染んだ翌日にもう一度。
お茶碗によそって食すべし!

あなたの味覚は数メートル分。
広がるはずである。

  ◇ ◇ ◇

この時期の具材は。
炊き込みご飯に持ってこい。

出来立ても良いが。
翌日の馴染んだそれも。

是非、ご堪能あれ。