思い出す。その2。

=続き=

@すすぎ場に立つと。
 バンバンと洗ったモノを拾い上げて直していく人だった。

@新聞には毎日必ず眼を通していた。
 そして、村に関しての記事があると。
 そのページを広げて読ませてくれた。

@ラーメンを食べにピンク色のラーメン屋によく行く人だった。
 その時にも。
 淡々と飲み直し、餃子を食べ、ラーメンを啜った。

@そして翌日の早朝。
 何事も無かったように、フル回転してる人だった。

@お子さんが出来た時は。
 それはそれは嬉しそうな父親の顔であった。
 それでも。
 「抱かせてくれない」と悲しい顔をする人だった。

@一緒に山菜を採りに行くと。
 ズンズン先に歩いていき、追い付けない人だった。
 途中でピカピカドンドンと雷に撃たれ、大雨に祟られても。
 まったく意に介する様子など無いような人だった。

@故支配人によく怒られる人だった。
 それでも。
 ヒョウヒョウとしている人だった。

@穏和な人だった。
 滅多に声を荒げることなど無かった。

@頑固な人だった。
 人のアドバイスを笑いながら聞き流していた。

@自分が信ずると脇目も振らず、突き進む人だった。

@今年、50歳を迎える人だった。

@今年の3月初旬に。
 携帯のメールを送ってくれた人だった。
 その中に。
 「ロッジに遊びに来て下さい」
 と書かれてあった。

@亡くなるには早過ぎる人だった。

@本当に、行き急ぐ人だった。