週に1~2回。
ちょろっと立ち寄るお店がある。
開店一番乗りで椅子に座り。
ビールを1~2杯注文し。
店の人と馬鹿話をしつつ。
お客さんが入ってくると。
そそくさと退散する。
☆
それでも。
話し相手は自然とできるもので。
ご老齢の紳士と何度か顔を会わすうちに。
自然と話すようになった。
相手の方は。
矍鑠(かくしゃく)と話しをしつつも。
相手に話しを合わせる余裕をお持ちなのである。
☆
旅行をよく行かれているようで。
数ヶ月後にお会いすると。
「ヨーロッパに旅行してたんですよ」
とか。
「東北に・・・」
とか。
「北海道に・・・」
とか。
活発に動かれているのである。
☆
昨晩、久しぶりにお会いした。
「ご無沙汰しております」
「こんばんは。お元気でしたか?」
「お陰様で、ピンピンしてました」
「どこか、旅行をしてきましたか?」
「9月、10月と北の方に行ってきました」
「ほぉ~、どちらへ?」
「道南と東北です」
☆
ご老齢の紳士氏は旅行経験豊富なためか。
「山形県なら○○温泉の○○旅館がお薦めです」
「秋田県なら○○温泉には行かれましたか?」
「道南の○○温泉旅館は楽しいですよ」
「あの場所は・・・」
「この場所は・・・」
次から次へと。
矢継ぎ早にどんどんお話しになるのである。
よくご存じなのである。
☆
このご紳士。
大手企業の社長をご経験されたようで。
飲み友達や旧友の名前を口にすると。
名だたる会社の社長名が。
友人や知人としてバンバン飛び出してくる。
☆
だけど。
飲み屋さんで知り合った先輩だと思うくらいなので。
名だたる会社の社長名が飛び出しても。
何とも思わない。
そして。
あまり興味のない態度をするからだろうか。
お会いするたびに盛り上がるのは。
旅行の話しがメインになってくる。
☆
話しは面白く、仕事にも熱い。
情熱は年齢に関係ないのだと思い知らされる。
だからだろうか。
たまにお会いすることが楽しくて仕方ないのである。
☆
「人の顔には履歴書があると思うようになりました」
「いい顔の人達を見てきたんですな」
「出会いから何十年と待たなければならなかったんですがね」
「それでも貴重だと思いますよ」
「おっしゃる通り、待った甲斐がありました」
「苦労を買ってでも出会いを大切にして下さいよ」
「ありがとうございます」
☆
市井(しせい)のほんの小さなお店でも。
こんな出会いはあるんですよ。