呆れて物も云えない。

一から順序を追って話さないと。
気の済まない人がいらっしゃる。
事細かく話されるのは良いのだが。
なかなか前に進まない。

時間が競ってる時や。
もうとっくに。
相手の結論を導き出している時には。
間延びしてしまい。
苦痛の域に突入してくる。

   ◇

そんな人が私の身近にいらっしゃる。
その御仁とは。
アルバイトに来ている還暦過ぎのオジサン。
独身でいるからか。
かなり話し好きでいらっしゃる。

・・・のだが。

上記のタイプなので。
端折って話しが出来ない。

   ◇

今日も身近のお話しが一席あった。

要約すると。

携帯の出会い系サイトに入り込んでしまい。
莫大な請求が来たとのこと。

それで本日。
警察に相談に行ってきたのだそうだが。
対応が悪いとお怒りなのである。

   ◇

これだけなら。
オッチャンも隅に置けないねぇ・・・。
まだ色道は修行中なんですな。
このくらいで笑っていられる。

   ◇

だが、このオジサン。

何を血迷ったか。
その出会い系の相手に。

【あなたは騙されているから止めなさい】

と、何度も説教メールしたのだそうだ。

   ◇

曰く。
「彼女たちも被害者なんですよ!」

曰く。
「一緒に警察に被害届を出そうとメールしたんですよ」

   ◇

一から順を追って話すので。
ここまで辿り着くのに。
結構なお時間がかかっている。

なのに。
お訊きになるのである。

「どう思いますか?」

   ◇

「まさにカモネギですね」
「どういう意味ですか?」
「風俗に客として行ってるのに。
 風俗嬢に説教してるようなもんですよ」
「いや、彼女たちは被害者ですよ」

「対処法としてはメアドを変えるのが一番です」
「そんなものですか」
「お金は絶対に支払わない」
「それがちょっと振り込んだんです」
「・・・はい?」

「警察で何て云われましたか?」
「それ位の額でラッキーですよって」
「そりゃ、そうでしょうね」

   ◇

それでもオジサン。
どうにも納得出来ないご様子で。
ことさら細かく状況説明をなされるのである。

どうも出会い系と云うシステムを。
ご理解出来ていないのである。

   ◇

聞くのもバカバカしくなったので。

「そんなに納得出来ないなら、
 彼女にご相談されてみたら如何ですか?」
「彼女どう云うだろう?」
「さぁ~?
 喧嘩にならないことをお祈りしております」

   ◇

これが男からの交際メールだったら。
これほど必死にもならなかったでしょうに。

女性という一点で。
火が点いちゃったんだわね。

   ◇

やっぱり、引っ掛かるんですなぁ。。。

幾つになっても。
男はオトコでありまする。