伝統工芸に思う。

本日、朝日新聞夕刊には。
「響」ひびき紀行と銘打って。

岡山県長船(おさふね)の。
刀鍛冶関係の記事が掲載されている。

3頁目の真剣を持つ女性の写真は。
ひときは大きくアップされている。

記事の内容はとても厳しく。
伝統工芸だけで食っていくのは至難である。

先日、吽形氏へお電話して雑談した時にも。
同じ感想を聞いていた。

伝統工芸を守ろうとしても。
安い価格ありきではどうしようもない。

手彫りと機械彫りを見分けできない人が。
とても多いので見る目も育たない。

目利きという言葉が。
死語になってしまうのではないか。

伝統を守って行くには。
パトロンが必要なのだと思うのだが。

そのパトロンが。
マック片手にコークをチューチューして。

パソコンや携帯の情報を。
時間を惜しんで駆使するだけでは。

本物の目利きになるはずもなく。
すると良い職人も減るばかりである。

そんな中を。
身を粉にして伝統を守って働いている吽形氏を。

自分から進んだ道とは云え。
頭の下がる思いで聞いていた。

信州にいるご友人には。
漆塗りの職人さんがいらっしゃるが。

やはり同じ内容の話しを。
何度か聞いた覚えがある。

真面目にきちんと仕事をする職人は。
ほとんど利益がない。

これでは腕の良い職人は。
やっぱり育たないのだろうと思ってしまう。

身の収まりを考えれば。
こういう人達の引退後には。

それなりの蓄えも出来て。
悠々と隠居出来るような環境が必要である。

そうなることで後を引き継いで行く。
後輩を育てられるのだと思う。

先ほどの女性は吽形氏の後輩で。
HPにもご登場いただいたご縁があるだけに。

茨の道がきっと報いるような。
そんな将来になって欲しいと。

心より思いつつ。
宝くじが当たれば(またかい!)

お金は出しても。
口は出さない注文主になりたいと思った。