思い出す。

当時、京都の学校に通っていた。
友人の中には違う京都の学校に通う者もいた。

その友達らとは。。
月に一度は会うようにしていた。

金閣寺近所に下宿する友人宅など。
格好のたまり場であった。

待ち合わせ場所は。
立命館大学裏門の近所にある。

モンテカルロ
ゲーセンである。

夕方にその店へ出向くと。
必ず友人達が必死の形相で。

テーブルテレビの画面と。
睨めっこしていた。

ひと段落したところで。
白梅町辺りまでトコトコ歩いて繰り出し。

居酒屋にもぐり込んだ。
その一軒がアイス天ぷらの。

【串八】
その店であった。

食欲も旺盛な若者達が寄れば。
どんどん胃の中に詰め込む。

ビールやら酎ハイやら。
あらゆる具材の串を落とし込んだ。

話すことは未来のこと。
将来の夢、今の現状、恋に、学校生活に、
バイトに、遊びにと。

ありとあらゆる題材が次から次へと。
飽くことなく話題に上った。

今ならうんざりだけど。
若かったから平気であった。

串に飽きたら。
食後のラーメンとばかりに。

【天下一品】
その店の暖簾もくぐった。

初めて紹介されたラーメンを見たときは。
エポックメーキングさに驚き。

どうやって食べるのか。
友人の見様見真似で覚えたものだった。

そして当然のように。
ハマってしまった。

夜中に友人の下宿で雑魚寝し。
翌朝は遅く起き出し。

ラーメンにのせた擂ったニンニクや。
串の食べ過ぎで胃がムカムカしながら。

土曜日の昼頃の電車で。
帰宅したものであった。

そんな学生生活を長い間。
頭の片隅に追いやってしまい。

ひとかけらも思い出すことなど。
全然なかったのだが。

一昨日の友人から頂いた写真を見て。
当時の様子を昨日のように思い出した。

馬鹿騒ぎで面白がった友人達とは。
今はなかなか会うチャンスも少ないが。

何だかもう一度そんな飲み会をしたいと。
心底考えてしまった。

振り返ると。
数少ない輝いていた瞬間だったのだろう。

そんな貴重な体験を。
思い出す契機を与えてもらった友人には。

感謝したい。

昨日はその思い出と戯(たわむ)れて。
楽しい時間を過ごすことが出来た。

ありがとう。