覚醒。

A:「中途半端な時間に目覚めてしもたな」
B:「たまにありますね」
A:「蒸し暑すぎて汗がタラタラやね」
B:「ニッポンの夏、関西の夏がやって来ましたね」

   □

A:「昨日の夕方、外で人と話し込んでたら蚊の襲撃に遭ったがな」
B:「そりゃ、恰好の標的でしょ」
A:「そない美味しい血とも思えんのになぁ。。。」
B:「ドラキュラと違(ちご)て何でもエエのんと違ゃいます」
A:「ちょっとだけ快楽与えてから、地獄に行ってもろた」
B:「どないしたんですか?」
A:「蚊が留まって皮膚に口を刺すまで待つんやわ。その後パチン」
B:「イタタタタ」
A:「ピチャッと貼り付いてたわ」

   □

A:「ワシが蚊やったら美女しか狙わんけどな」
B:「どこ狙いますのん?」
A:「そんなん、ここで云えんわ」
B:「ウワッ、やらしいとこ狙うんでしょ!」
A:「見つかったら一瞬で抹殺やのに、誰が平凡な箇所狙うん?」
B:「まぁ、そりゃそうですけど・・・」

   □

A:「そろそろ蚊取り線香の出番やね」
B:「煙たいけど効果抜群ですもの」
A:「煙を吸ってヨロヨロしている蚊をパチン!」
B:「プ~ンという高い羽音も心なしか低音気味ですし」
A:「寝てても一瞬で反応してしまうな、あの羽音は」
B:「“たった一匹で夜も眠れず”ですわ」

   □

A:「ところで。血を吸うのはメスだけやと知ってるか?」
B:「ホンマですか?」
A:「卵を産むための栄養補給には血が一番らしいよ」
B:「痒くなかったら、ちょっとくらい与えるんですけどね」
A:「あの羽音と痒みが嫌われる理由やね。あんさんも気をつけよ」
B:「お~い!!」